2025年12月12日

400本達成(データ集計)

 プレイした戦力評価可能なシナリオが400本に達したので、戦力評価データをまた集計しました。矢印の左側は300本の時の結果です。

 戦力優勢率の絶対値区分ごとの優勢側勝率
5%未満 57%→64%(176サンプル) 新理論勝率60%
5%以上10%未満 79%→81%(96サンプル) 新理論勝率80%
10%以上15%未満 96%→98%(63サンプル) 新理論勝率100%
15%以上20%未満 100%→100%(32サンプル)新理論勝率120%
20%以上 100%(33サンプル)
 優勢側全体勝率 77%→79%(400サンプル)


 戦力優勢1%あたりの予想勝率算定レートを前回3.5%に上げたところですが、これまでの評価方法改良でさらに勝率に与える戦力の影響が強まったので、これからはまたレートを上げて4%とします。なお感覚的に予想誤差は平均でプラスマイナス10%くらいあるので、理論勝率100%でも実際の勝率は100%にはなりません。
 これにより一般的なシナリオでは、かなり正確に勝率を事前予想できるようになりましたが、それでも勝利やシナリオの条件が特殊なものなどでは、大きな誤差が出ることもあります。例えば最近ずっとやってきたSword & Fire: Manilaでは、大きく予想を狂わせる他には無い条件がいくつか出て来て、専用の補正が必要になるほどでした。
 また砲と盤外砲についても、評価方法を以下のとおり少しだけ精密にしました。

集計元データ

強い砲の評価
 戦力評価で砲については今まで強さを考慮していませんでしたが、やはり特に強いと感じる砲があります。ROFがある88ミリ以上のL・LL砲で全周砲架を持つものや、ROF3で57ミリ以上のL・LL砲は経験上強く、過去の対戦データを検証しても、明らかに勝率を高めています。
 そこでこれに該当する防御側の砲は、敵に戦車が登場しその半分以上を前面から倒し得て(弱い方の装甲よりTKが5以上高い)、さらに57ミリについては元々戦車劣勢だった場合に限り、以下のように数えることにします。

ROF2 90L・88L・88LL(全周砲架)=2(歩兵攻撃補正の容易条件を受けていたら1.5)
ROF1 120L=1.5
対戦車・対歩兵共に強く、ROFと旋回にも優れて強力です。

ROF3 57L・57LL=1.5(歩兵攻撃補正の容易条件を受けていたら1)
弱い戦車相手にはROFが強力ですが、歩兵相手には効果が薄いので、対戦車戦力が足りない時だけ多く数えます。

 一方で威力は高くても全周砲架でない76LL・122L・88LL(NT)や、高ROFでも威力が劣る40L・50Lは、あまり強かった印象が無く、対戦データを調べても勝率向上への寄与が認められなかったので、対象から外しました。


強い盤外砲の評価
 同様に盤外砲も、120ミリ以上になるとかなり強力です。そこでロケット砲を除く120ミリ以上の盤外砲は、2つ分と数えます。また攻撃側の120ミリ以上の盤外砲は、丘の防御効果と低火力市街戦を打ち消します。
 逆にロケット砲は、通常1回しか砲撃任務を行えず精度も低いので、2つ以上で1つと数えます。


 これらの評価方法修正を加えて、今までの対戦データを再計算しなおすと、一つのシナリオが浮かび上がってきます。51本目という早い頃にやった、J33 The Slaughterhouseです。
 これは88L砲、120ミリ盤外砲、120ミリ盤外砲による低火力市街戦打ち消しという、今回の修正の影響を全て受けるシナリオで、修正の妥当性を確認するのに最適です。現在では当時よりもずっと戦術が洗練されているはずなので、次回再度これをやって確認してみます。
posted by あする おやこ at 13:44| Comment(0) | ASL雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年10月01日

訂正すべきASLのルール

 膨大過ぎるルールを持つASLは、完璧なルールを作るなど絶望的で、たぶんデザイナーの意図から漏れている(誤っている)と思われるルールがあります。それらは訂正するべきだと思います。


ファイアレインの辺を迂回移動する時のTEM
00firelane.jpg
 ファイアレインが通っている辺の上を移動しているユニットは、ルールを厳密に読むと、迂回している地形のTEMを受けられると思われます。以下が根拠です。

A9.222 残留FP:火線残留FPは、以下に記載される例外事項を除いて、通常の残留FP として扱われる。(辺を移動する目標に対する例外事項無し)
A8.2 残留火力:目標区域にあるヘクスサイド以外のTEMと『煙幕』/FFE妨害DRMは、(迂回中のユニットにも)残留FPによる攻撃にすべて適用される。

 しかし常識的に考えて、へクス内の地形を避けてへクスサイド(通常は平地)を移動しているユニットが、へクスサイドを狙っているファイアレインへまっすぐ向かって行くのに、脇の地形のTEMを受けられるのは明らかにおかしいです。これについてヒントになるルールがあります。

J2.23 残留火力 (Residual Fire):迂回中のユニットに対する射撃では、その特定のヘクスサイドにのみ残留火力が生じる。残留火力カウンターはそのヘクスサイド(の内側)に置かれ、そのヘクスサイドを迂回するユニットか、それを通過してそのヘクスの障害物に進入するユニットにのみ影響を与える。

 へクスの大きいデラックスASLでのルールですが、ここでは残留火力がへクスサイドに置けるようになっています。つまりA8.2のルールは現実的な理由がある訳ではなく、へクスの小さい通常のASLでは、残留火力を辺に置くのが難しいため省略しているだけだと考えられます。
 それであれば、辺に置かれているファイアレインが、A8.2のルールに縛られる必要性はありません。もっともJ2.23もA8.2については言及していないので、やはりへクス内のTEMを受けると解釈できますが、これももちろんおかしいです。
 これらは「辺を迂回移動しているユニットは、その辺を通るファイアレインや、デラックスでその辺にある残留火力に対して、迂回している地形のTEMを受けられない」と訂正するべきです。


つながった瓦礫と建物間を移動する時の地雷
00mine.jpg
 つながった瓦礫と建物間を移動するユニットは、ルールを厳密に読むと、建物(の外側)にある地雷に攻撃されると思われます。以下が根拠です。

B28.44 建物/ 塹壕ヘクス内の地雷原:地雷原は、完全建物ヘクス以外の建物ヘクスにも置くことができるが、その場合は、建物ヘクスサイドを通ってこれらのヘクスに進入する/から退出するユニットを攻撃しない。(瓦礫と建物の場合については書いていない)
B24.1 瓦礫となった区域はもう建物区域でなく、完全に瓦礫となった建物はもう建物として扱われない[例外:瓦礫の撤去に関する場合;24.71]。
B24.2 地上レベルの瓦礫は、そのヘクス全体(ヘクスサイドを含むが、生け垣/石垣を消滅させることはない)における1/2 レベルのLOS障害物である。

 以上から瓦礫と建物の境目は瓦礫へクスサイドであって建物へクスサイドではないので、B28.44の適用を受けられず、地雷に攻撃されることになります。
 しかし地雷は瓦礫にも建物内にも置くことができないのに、瓦礫と建物が直接つながっている所を移動すると、建物外側の地雷に攻撃されるのは、明らかにおかしいです。
 B28.44は直接つながる瓦礫と建物についても適用するべきです。


白燐弾のNMCを受ける区域
00WP.jpg
 私は今まで、白燐弾の煙にかかった区域は全てNMCを受けるものと思い込んでいました。しかしルールを厳密に読むと、そうではないことに気付きました。

A24.31 傷害:WPの化学成分は不快感を催し、士気喪失/死傷といった効果があった。WPカウンターと同じ区域にいる、CE状態でないCT-AFVを除く全てのユニット(自軍ユニットも含む)は、WPがその区域に何らかの理由で展張されたとき[例外:臨機射撃で展張された際に、その時点でまだ移動していないユニット](漂流してきた時や、ユニットがそこに移動した時ではない)か、もしくは砲兵器射撃でWPが命中したとき、NMCを行わなければならない[例外:WPがその高度に達していない場合(24.4)]

 NMCを行うのは「WPカウンターと同じ区域にいる」ユニットと書いてあります。煙がかかっただけではNMC(そしてそれによる隠蔽除去)は受けないのです。そうか、本当はWPカウンターが置かれた区域(通常は地上レベル)しか受けなかったのか。
 しかし気になる記述があります。[例外:WPがその高度に達していない場合(24.4)]?WPカウンターと同じ区域しかNMCを受けないなら、この例外に該当することは有り得ないだろう?そこでBGGを調べました。

WP in a hex with ground and 2nd lvl units

 ここで同じ疑問が呈され、回答者は文法上の矛盾を無視して答えていますが、その中で実際の白燐弾の効果について述べています。

該当箇所のGemini訳
白リン弾から発生する煙は、非常に閉鎖された空間にいない限り、それほど有害ではありません。つまり、不快ではありますが、マスタードガスやホスゲンガスのような毒ガスとは異なります。しかし、固体の(気体ではない)白リンが肉体に触れると、激しく痛みを伴う火傷を負い、取り除かれるまで燃え続けます。白リン弾の着弾地点の近くにいる場合、固体の白リンの破片に触れる可能性があります。ほとんどの煙幕弾には炸薬が含まれているため、着弾時に破片が飛び散ります。そのため、地上の部隊は固体の白リンの破片に触れる可能性が高いです。これが、ASL(Advanced Squad Leader)で着弾した部隊がWP NMC(White Phosphorus Non-Morale Check)を受け、地上の部隊もWP NMCを受ける理由です。ASLでは、MTR(Mortar)がLOS(Line of Sight)外の部隊を攻撃できるため、この問題はさらに複雑になります。

 ウィキペディアの白リン弾でも同様のことを言っています。
「黄燐蒸気そのものは有害で気管支を痛めるが、短時間で十酸化四リンと燐酸に変化するため屋外ではその効果は小さい。直接人体に触れた場合に治療困難な火傷を生じる性質や、それによる心理的作用を利用するため、日本でも第一次大戦後に本格的に研究が行われていた。」

 ルールをそのまま読めば、「WPがその区域に展張されたとき」もしくは「砲兵器射撃でWPが命中したとき」(あくまで「時に」であって、その「場所で」ではない。)、「WPカウンターと同じ区域にいる」ユニットだけが、NMCを受けるとしか解釈できません。
 しかし前述のことを総合して考えれば、多分これはルールの記述誤りであり、ここは「WPカウンターと同じ区域にいる、もしくはWPが命中した区域にいる~ユニットは、~NMCを行わなければならない。」と訂正するべきです。


 これらが今更公式に訂正されることは期待できないので、訂正はE.1に基づいて対戦相手と話し合い合意するしかないでしょう。
 またもしこれらについて、「わざわざ訂正しなくても、ルールのここに書いてある」とか「こういう理由により、そのルールは現実的だから、訂正の必要はない」等のご意見がありましたら、コメントを頂ければと思います。
posted by あする おやこ at 20:31| Comment(0) | ASL雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年03月12日

ASL傑作シナリオ三選

 今までやったASLのシナリオで独創性、作戦の高度さ、バランスに優れたものを3つ選びました。ただし独創性の高さ、作戦の高度さは尋常でないので、初級者の方にはその良さを十分実感できないかもしれません。またサードパーティー製で入手しにくいのも残念な所ですが、Closing the Pincerはアーカイヴで公開されていますし、Not to lose faceは有名なCritical Hit社製で何度か再録されているので比較的見つけやすいでしょう。

PBP20 Hard to kill 倒し難し (Critical Hit # 4.2) 
ドイツ攻撃予想勝率20% アメリカ防御
 戦力的には防御側のアメリカが優勢なのですが、パンターが強くマップも細くて側面を狙いにくいので、ドイツが堅実に攻めるとアメリカの守り方が非常に難解。戦車戦でかなり不利なアメリカは、煙幕、APCR、煙幕迫撃砲、キャニスター弾、緊急起動といった多彩な機能を使いこなし、攻防の場所、集中と分散、戦闘のタイミングを良く考えなければなりません。
DSC01454.JPG
狙いすぎ
SSパンターに逆襲の花束を
豹にかける呪術

Mortain7 Closing the Pincer 挟み撃ち (アーカイヴ公開)
ドイツ攻撃予想勝率47% アメリカ防御
 攻撃側のドイツ軍はまず半分ほどがたった1へクスから侵入し、防御側のアメリカ軍はそこに隣接して待ち伏せできるという狂ったスタート。当然このドイツ軍はバタバタ倒されていきますが、何とか生き残った部隊と後からの増援で態勢を立て直し、最後には互角になるという奇跡のシナリオ。運だけかバランスの悪いものがほとんどの脱出勝利条件で、しっかりバランスが取れているという点でも秀逸です。
DSC03258.JPG
狂気の蟻地獄

ASL News 35 Not to lose face メンツを潰さぬよう (Scroungin' ASL News)
中国・イギリス攻撃予想勝率53% 日本防御
 ジャングルの中で待ち受ける日本歩兵を、中国歩兵とイギリス軍のスチュアート軽戦車で攻めます。ジャングル内で密集して守る日本兵は強く、イギリス戦車は不向きなジャングルを1へクス1へクス前進し、中国兵はどこからどのように接触するか綿密に考えて、日本軍を削って行かなければなりません。集中決戦戦術の粋を極め、1へクスごとに神経をすり減らして戦う超高難度シナリオ。
DSC00844.JPG
全方向日本軍
posted by あする おやこ at 20:55| Comment(0) | ASL雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年12月12日

IFT(歩兵射撃表)の覚え方

 IFT(歩兵射撃表)の覚え方を考えました。

1.MC、PC
 まず8のコラムだけ覚えます。ただし2、3の目はMCに置き換えます。
結果
24MC
33MC
42MC
52MC
61MC
71MC
8NMC
9PTC

 他のコラムはサイの目修正として覚えます。これで全てのMC、PCが出ます。
火力12468121620243036
修正+4+3+2+10-1-2-3-4-5-6
例 4火力で修正後5の目が出たら、火力修正+2して7になり、1MC。36火力で8なら、-6して2で4MC。

2.K、KIA
 次にKの目を覚えます。火力8前後で3を覚えれば、あとは左右対称で分かりやすいです。K、KIAはMCに優先します。
火力12,46,8,1216,20243036
Kの目1234567
 Kより目が1小さいごとにKIAの数字が1ずつ増えます。(例 36火力で目が2なら7-2=5KIA)
 Kの右の数字は、4、12、20(8間隔)で2、3、4になると覚えるのが早いでしょう。火力が複数あるコラムの1番右の数字(表では赤)でKの目と覚えてもいいです。

 これだけです。特に難しくないと思います。
 選択ルールのIIFTを使っている人もいるかもしれませんが、あれを覚えるのはかなり難しく、細かい表をいちいち見るのは面倒です。しかもIFTですらAFVの大雑把なTK・装甲(18の上は26とか)よりずっと細かく、TEMもIFTのコラムと同精度なのに、IIFTで歩兵火力だけ過剰に細かくしても意味がありません。
 今までIIFTを使っていた人も、この機会にIFTを覚えて使うのを、私はお勧めします。
posted by あする おやこ at 14:31| Comment(0) | ASL雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年10月07日

300本達成(データ集計)

 子供とASLを始めてからプレイしたシナリオが300本に達したので、また戦力評価データを集計してみました。矢印の左側は前回の結果です。

 戦力優勢率の絶対値区分ごとの優勢側勝率
5%未満 52%→57%(117サンプル) 新理論勝率59%
5%以上10%未満 71%→79%(85サンプル) 新理論勝率76%
10%以上15%未満 86%→96%(48サンプル) 新理論勝率94%
15%以上20%未満 98%→100%(22サンプル)(初期に作戦誤りで負けたが、後で必勝と確認した例を、優勢側勝利扱いにした) 新理論勝率111%
20%以上 100%(28サンプル)

集計元データ
 戦力評価集計表は、追加された評価項目に合わせて改良してある他、予想勝率や予想プレイ時間も出るようにしました。

 戦力評価方法の追加改良により、戦力と勝率の相関がさらに高まりました。今までは戦力優勢1%(端数切捨て)につき予想勝率3%増加で計算して来ましたが、これにより今後は切捨てない1%あたり3.5%増加で計算することにします。また予想勝率は他の要因により感覚で平均1割程度の誤差があるため、有効数字的に意味は薄いですが、今後はリプレイでの予想勝率を1%単位で表示します。
 新理論勝率は検証のため、区間の単純平均に3.5を掛けたものです。5%未満では実際の勝率が少し下回りますが、これは優勢率が0.00%の場合は常に引き分けとしてカウントし、50%に近づける効果があるためと思われます。


 それから以前に計算した国別の攻撃の得意さですが、それまで日本攻撃アメリカ防御や、日英戦の例が少なかったので、その後それらを重点的にプレイして来ました。すると日本の防御性が弱まり、イギリス防御性の方が上回りました。
 考えてみると攻撃性は対戦相手国の攻撃性に引きずられるので、どこと多く戦うかによって変わってくるのも当然です。防御型同士の日英が戦えば互いに防御性がより高くなりますし、攻撃型のアメリカと戦えば日本の攻撃性は下がります。またソ連はほとんどドイツと戦うことになるので、攻撃型同士で攻撃性は高目になっているでしょう。
 そのため出た数字を単に比べても誤差が大きく、今のところソ連、ドイツ、アメリカは攻撃型、イギリス、日本は防御型という程度のことしか言えないようです。
posted by あする おやこ at 14:42| Comment(0) | ASL雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする